入れ歯の治療には、健康保険が使える「保険治療」と、保険は使えない「自費治療」の2種類があります。この2つの治療は、いったい何が違うのでしょうか。
ここではその違いと、当院がなぜ自費治療の入れ歯をお勧めするのかをご説明します。
保険の入れ歯と自由診療の入れ歯で最も大きな違いは製作方法です。かつてGHQの医療担当者が日本の医者は薬屋で歯医者は貴金属商だと言ったそうです。日本では欧米のように技術やサービスにお金を支払う習慣がなくその代わりに物に料金がつきます。いい金属をつかうから高い料金になるという考えかたです。文化の違いもあるため一概に悪いとは言えませんが、その考え方が日本の義歯治療を著しく遅れさせた原因であると考えます。医師や歯科医師の診断力や技術に対しての対価ではなく、入れ歯に高い金属を使ったから高い料金、安い材料だから安い料金といった本来の入れ歯の価値とかけ離れたところで値付けがおこなわれているのです。本来の入れ歯の価値とはしっかり咬めて、患者様が納得したものであることだと思います。それは高い金属を使ったから生まれるものではありません。しかるべきトレーニングをうけた術者がしっかと時間をかけて作ったものでなければいい入れ歯はできないのです。
健康保険の範囲内で入れ歯を作る最大のメリットは、費用が安くて済むという点です。
しかしこの保険治療の場合、「最低限の医療」を安い費用で提供することが前提となっているため、国が決めた細かいルールに従わなくてはなりません。具体的には、治療方法や使用する材料に細かいルールがあり、その決められたルール以上の治療を行うことはできないのです。例えば、保険治療では入れ歯の治療工程が決められています。保険治療の決まりですと型取り、咬合採得(かみ合わせの記録)、試適(ろう義歯の試し入れ)、セット(完成義歯をお口に合わせる工程)の4工程しかありません。このため義歯完成後に問題点があらわれるのです。これに対して自由診療では、治療用義歯を用いて問題点をあぶり出し改善していくことで患者様の特徴を完成義歯に反映することができるのです。患者様それぞれお口の中の状況は全く異なりますので保険治療のような規格化された大量生産品を生産するのような治療法はそもそも入れ歯治療に適さないのです。
つまり保険治療の入れ歯とは、快適さや機能性、見た目をある程度犠牲にした最低限のものと呼べるかもしれません。そのため保険治療の入れ歯で満足される患者さまは、実際には多くありません。患者さまにより良い入れ歯をご提供したいと思っても、保険の制限のためにできないことが多く存在するのです。
このような患者さまのお気持ちに寄り添った入れ歯をご提供することは、残念ながら現行の保険制度では難しいと言わざるを得ません。
入れ歯は「人類最古の人工臓器」とも言われていますが、保険治療で作る入れ歯はピンク色のプラスチックの上に歯を並べただけのものであり、「人工臓器」からは程遠いものとなってしまっているのが現状です。
お口は消化器官の入り口です。食べた物を消化するという機能を十分に果たすには、まずはしっかりと噛むことが重要になります。
もし歯を失って物を噛めなくなると、消化機能を十分に果たせなくなり、全身の健康にも悪影響を及ぼしかねません。また、歯を支えているはずの骨やあごの筋肉が衰えていき、顎関節症を引き起こしたり、アルツハイマー病を発症したりする原因となる恐れもあります。
全身の健康を維持するためにも、しっかりと「噛める」入れ歯を作ることは大切なのです。
現在では素材や技術の進歩により、人工臓器と呼んでも遜色のない「実用性に優れた入れ歯」を作ることが可能になっています。当院では入れ歯の素材、検査や作製の方法に制限を設けずに、一つひとつの工程をしっかりと行う自費治療の入れ歯をご提供しています。患者さま一人ひとりのお口の状態に合わせた違和感の少ないお口によりフィットする入れ歯を、完全オーダーメイドでお作りできます。
入れ歯を実際に使用するのは、ほかでもない患者さまご本人です。当院では歯医者にとっての「良い入れ歯」ではなく、患者さまにとっての「良い入れ歯」をご提供するよう努めています。
「人工臓器」としての入れ歯を目指すからには、実際に使えるものでなければ意味がありません。当院では患者さまのお話に耳を傾け、ご意見を参考にしながら入れ歯の作製を進めていきます。
現在、国が「入れ歯を作ろう」「噛むことによって病気を防ごう」という方針を打ち出してきておりますが、歯科医療の現状を見たとき、歯科医院によって技術にバラツキがあるのは、大げさに言えば不幸なことなのかもしれません。
当院の院長は、入れ歯の分野で「歯学博士」の学位を取得しており、入れ歯治療を得意とする歯科医師です。せっかく作った入れ歯が合わない、つけると痛むので使用していない。このようなお悩みをお持ちの患者さまを一人でも多く救いたいと、心より願っております。合わない入れ歯でお困りの方は、ぜひ当院にお気軽にご相談ください。
自費の入れ歯は、個人トレーやリハビリ用入れ歯の使用など、密着性・安定性を高めるために患者さまに合わせて工程を増やして作製できます。精密な型取り、噛み合わせまでも考慮した作製方法で、お食事やおしゃべりに困らない、外れにくい入れ歯をお作りすることができます。また、豊富な素材の中から、患者さまのお口の状態に適切なものを厳選し、見た目にも自然な入れ歯をご提供できます。
ただし工程を増やしている分、どうしても時間がかかります。時間をかけた分、本当に自分のお口に合った入れ歯を手に入れることができるのです。
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午後 | ○ | ○ | 〇 | × | ○ | △ | × |
午前:9:00~13:00
午後:14:30~18:00
△:土曜午後は17:00まで
※月に一度日曜日に矯正日として診療しております。
休診日:木曜・日曜・祝日